視線のレーザービーム
昨日、彼女から(取引上は彼女の所属会社からだが彼女の決済なので彼女からと認識させられる)新たなクリエイティブ案件の発注があり、テレカンを行った。
大口クライアントなのでもちろん嬉しい内容なのだが、小職としてはテレカンとは言え、久し振りの生『美夕』(敬称略m(__)m)なので案件内容は上の空状態で(故に作業責任者レベルも複数同席させて)臨んだ。
予定時刻にルームに入室する。
ドキッ!!
激しく胸が高鳴り、早まった鼓動が収まらない!
彼女と目が合った瞬間からだ。
正確に言えば、カメラ目線の彼女のフレームを見た瞬間からということになる。
端正で整った顔立ち、知性の高さと意志の強さを感じさせながら妖艶と言える色気を放つ瞳…
いつもと変わりない彼女の姿…
…いや!違う!
目力が常人の限界値を超えている!!
口元がマスクで隠されているため、否応無しに彼女の視線に飲み込まれてしまっている!
彼女がPMOに指定した執行役員の方が同席する会議室からの参加のため、彼女はマスク着用だったのだ!
まずい!
彼女の視線のレーザービームでHP削られまくりで、彼女の要件説明が頭に入って来ない!
大丈夫だ…、そのために(大事な顧客なので)有能な作業責任者を複数同席させているのだから!
開き直って、安心して彼女に見入って、魅入られたままガイダンスが終わりを迎えた。
『問題無ければ、25日の週目安でお見積頂戴したく存じますが、如何でしょうか?』
あ~、耳さわりの良い声だな~
『あ、はい、拝承いたしました』
姫の声に恍惚としている還暦オヤジに気付いてか、若いもんが代わって姫にレスしてくれた。
そのあわてっぷりに返してくれた天使のような微笑みに目が釘付けになってる間にルームが空になった。
参加メンバーをミーティングスペースに呼び集めて、尋ねた。
『どうだ? 問題無くやれそうか?』
すると…
『すみません、☆☆☆(美夕さんの姓)CTOに意識持ってかれてて、ほとんど頭に入ってません汗』
『右に同じです汗』
………うちの会社は彼女に崩壊させられるかもしれない汗