自分のこと
これまで女性と交際したことがないわけではないし、女性経験もそれなりにはある。
しかし、添い遂げようとまでは言わないにしても、ずっと一緒にいたいと思える存在がいなかった。
同期入社の女子ともそこそこ付き合った。
役職がついてからは部下の女子から告白されて深い付き合いをしたことも少なくはなかった。
いつの頃からか、プラスポイントとマイナスポイントを瞬時にカウントする癖がついていた。
総計するとマイナスだからパスだ、という具合で。
そして、彼女に出会った。
華やか
美人
凛としてる
背が高い
脚が綺麗
健康的な肉付き
オッパイでかい
腰の張りが色っぽい
知性のオーラが見える
エロい
快楽に顔を歪ませてみたい
一目見た瞬間、数え切れないプラスが積み上がって頭がオーバーフローした。
どうなってもいい、何を捨てても構わない、一緒に時間を過ごしたい。
無条件に心からそう思った。
人妻と知る。
略奪の二文字が頭に浮かんだ。
(続く)