オヤジの一目惚れ片想い

クロスボーダーおやじの片想いブログ

予想はできたが・・・件の合コン

昨日、彼女が片想いオヤジ(私)に気を遣ってセッティングしてくれた件の「フォローの飲み会という名の合コン」が行われた。


彼女が同伴してきたのは彼女セレクションとの名に恥じない高品質アラサー20代女性三名、全員が直属ではないが彼女が統括する部門配下に属する社員。
彼女が「セレクション」というだけあって、彼女同様に華のある(異彩を放つと言っても良い程の)未婚美人ばかり。
こちらが同伴したのも、部内人気トップ3と言えるイケメンアラサー三名、全員私の直属の部下で未婚。
普通に見て、美男美女のカップルが3組一気に誕生する図式だ。


ところが、だ。
自己紹介を終え、乾杯をする頃にはもう「合コン」の体裁は崩れていた。


私は言うまでもなく、こちらの男子三名の意識が彼女以外に向いていない。
更には、彼女が同伴してきた女子三名も彼女に視線固定しているという有様。


「こりゃ、もはや合コンじゃないな」と心の中で苦笑いしながら、この状況を観察して楽しむモードにスイッチを切り替えた。


しばらくして、面白いことに気がついた。
彼女が二杯目に「X」というカクテルを注文すると、女子三名はこれと異なるカクテルを注文する。
彼女が「X」を口にする。
女子Aが「味見させてもらっていいですか」と尋ね、彼女が「いいよ」と頷く。
女子Aは彼女のルージュが付いた部位を確認し、そこに口をつけて味見をする。
「美味しい!」と言って、女子Aは次にそのカクテルを注文する。
彼女が三杯目に「Y」または「X」を注文すると、女子B、女子Cはこれと異なるカクテルを注文する。
彼女が「Y」または「X」を口にする。
今度は女子Bが「味見させてもらっていいですか」と尋ね、彼女が「いいよ」と頷く。
女子Bは彼女のルージュが付いた部位を確認し、そこに口をつけて味見をする。
「美味しい!」と言って、女子Bは次にそのカクテルを注文する。
女子Cも同様・・・。


彼女が口をつけたカクテルを彼女が口をつけたところから飲むのだからさぞや美味しいだろうよ、と思ってハタと気付いた。
目の前にいる三名の未婚美女は彼女とこうやって飲みたくて来ただけなのだ。
思うに、彼女と間接キスをする順番も予め取り決めしているのだろう。
美女たちのお目当はそれなりに生活力のあるイケメン未婚男性ではなく彼女なのだ。


次に彼女がお代わりをしたら、自分も『味見間接キス』を狙ってみようと構えていたら、若い連中もバカではなかったようで、新しいカクテルに彼女が口をつけた直後に間髪を容れず一人が勇敢にトライした。


「ごめんなさい^^ 間接キスは男性お断りなの^^」
(あ、「ESCAPE」のPVの鈴木愛理だ、と思った)


・・・彼女は女性三名、男性四名がそれを狙っていたことに気づいているのだ。
彼女のその言葉を受けて、三人の美女はちょろっと舌を出して悪怯れて見せた。
プロジェクトでお世話になっている時、呑みの席で聞いた「好みの女の子から求愛された時は、裸で添い寝までならしてあげる」という彼女の言葉を思い出した。
女ばかりズルいぞ!と心底思った。


男四人が悶々としたまま一次会が終わると、おそらく私に気を遣った彼女が店を出たところで全員に号令を掛けてくれた。


「ささ、既婚者(彼女)とオヤジ(私)は席を外してあげるから、未婚男女で三々五々ペアで散るなり淫らに6Pに走るなり好きにしてね〜」


やっぱりこういう気遣いしてくれるんだなぁ・・・と喜びもつかの間。


「**(私の姓)さん、助けて〜^^」という声を残し、3人の美女に両腕と腰に抱きつかれ、周囲を3人のイケメン露払いに取り囲まれた彼女が視界から遠退き始めた。


オヤジは息を切らし、追いかけ、合流する。


・・・本日午前4時、3軒目のお店を出て解散するまで、彼女と二人きりになれた時間は3秒と無かった。


もう3軒目になると誰かしら美女が彼女にまとわりついて、甘えて、手や、腕や、首筋や頬にキスをしまくっている状態で、近付こうものなら敵を追い払う猫よろしく「シャーッ!」と追い払われそうな雰囲気すら感じた。
そんな中、どこかしらに彼女のキスをもらったというのだから、うちのイケメン連中も隅に置けない。


とは言え、「彼女が俺のフォローになればと作ってくれた機会のはずだったのによ!」と思うと、正直凹んだ。


ただ、2軒目だったか3軒目だったか定かではないが、やたら気分が落ちて自分でも「皆の前でいかんな!」と思っていた時、テーブルに置いた私の手の甲に彼女がそっと掌を重ね、黙って私を見つめて微笑んだくれたこと、その微笑みで落ち込みが一瞬で雲散霧消したこと、同じく一瞬にして勃起したことを鮮明に覚えている。


ほんの数秒のイベントだったが、きっと一年分の幸せが凝縮された一瞬だった。
そして、今日は二日酔いで頭がガンガンしている。